靴下を販売しているせいか、街を歩いていると人の足元を見る癖がついていますが、最近気になるのが若い女性の歩き方です。十代と思われる学生に多いのですが、極端に内股で歩く女性が目に付きます。即ち、つま先が内側に向いて歩く格好です。自然な歩き方は、進行方向に向かって両足が逆ハの字になっている(つま先が外側を向いている)格好ですが、反対にハの字になっているのです。
流行なのか、この歩き方がカッコイイと思っているのか知りませんが、この歩き方だと、ちょっと後ろから背中を押すとバタンと前に倒れてしまうか、足首を捻挫してしまいそうです。
この歩き方の一番の問題は、足の親指を使わない歩き方だということです。昔から親指を鍛えて歩くことが健康によいといわれています。親指は頭脳や内蔵の経絡とつながっており、親指の刺激は体に好影響を与えますし、かつ親指は体のバランスを保つ重要な力点です。武道では親指を積極的に鍛える訓練をします。
しかし、内股歩きでは小指側に力が入り、親指に力を入れないので、これでは親指が退化してしまいます。あるいは、今の女性はなんらかの理由で親指に力が入れられないので、親指を使わない歩き方をしているのかもしれません。
人工のものを食べて、人工の繊維を身にまとって、自然との接触がどんどん減っている現在の生活環境のせいで、人間がどんどん退化していると感じます。「人工」ではない「自然」との触れあいの大切さを再認識する必要があると、最近痛感します。