医薬品とは一体何なのか。厚生労働省が、インフルエンザの治療、予防薬「タミフル」の効能について解説しているHPで以下のように定義しています。あいまいな責任のがれの発言しかしない役所が、意外にも(!)はっきりと定義しています。
「医薬品は、人体にとって本来異物であり、何らかの副作用が生ずることは避け難いものです。このため、治療上の効能・効果と副作用の両者を考慮した上で、医薬品の有用性が評価されるものです。」
もし、医薬品が異物であるならば、異物は出来る限り体内に入れない方が良いに決まっています。それでも症状を緩和するために医薬品を摂取する場合には、医者は、医薬品とはそもそも異物であり、それが故に常に副作用が伴うことをはっきりと言うべきだと思います。
ところで、厚生労働省のHPでは、タミフルの服用と異常行動による死亡には因果関係が認められないといっていますが、このロジックは以下のように整理すべきです。
・タミフルの服用と異常行動との因果関係
・異常行動と死亡との因果関係
前者の因果関係は認められています。後者の因果関係は非常に個別のケースなので、一概には特定できないでしょう。
しかし、ロジックを一段すっ飛ばして、「タミフルの服用と死亡には因果関係は認められない」と言って、「タミフルの服用と異常行動には因果関係はある」事実を覆い隠すような言い方はいかにも役所らしいところです。
我々も「タミフルの服用と死亡には因果関係はないから、タミフルを服用しても大丈夫だ」とは結論づけないようにする必要があります。これは言い換えると「タミフルを服用しても死なないから、死なない以外なら私はどうなっても良い。異常行動を起こしてもかまわない。」と言っているようなものです。
インフルエンザにかかると、高熱がでて非常に苦痛です。しかし、高熱がでるのは、体内の自然治癒力が働いてインフルエンザウイルスと戦っているからであり、我慢できるなら我慢すべきです。自然治癒力を信じるべきです。
薬は人体にとって「異物」です。薬という異物で、ウイルスという異物を排除しようとするなんて、まるで人間疎外の世界だと思いませんか。