毒出し(デトックス)とは

毒出し(デトックス)について

人間は、健康体という「秩序」を維持する為に、新陳代謝を行っています。
新陳代謝とは、外部から生存に必要な物質を体内に摂り入れ、不要となった老廃物等の毒素を体外に出して体を浄化することです。

人間の細胞は全部で約60兆個あり、人間の体は、死んで老廃物となる細胞と、新しく生まれる細胞とを入れ替える作業を繰り返しています。
体の細胞は約3ヶ月で全て入れ替わるといいます。この細胞の入れ替えを、一生の間繰り返します。
普段の生活の中で、鼻水、耳だれ、湿疹、下痢、頭痛といった症状が出る場合があります。
これらは体の中の毒素や死んだ細胞である老廃物が体から排出しようとしている現象であり、すべて新陳代謝の一部です。

普段の排尿・排便と同様に、毒素・老廃物を体外に排出する、いわゆる「秩序維持機能」が働いている現象です。
この排毒作用を毒出し(デトックス)と呼びます。

デトックスとは

つまり人間は、毒出し(デトックス)をしながら体を浄化して、健康体という秩序を維持しようとしている訳です。
従って、症状が出たら、症状をもっと出やすいようにして、毒素・老廃物を積極的に体外に出し切ってやる必要があります。

ところが、西洋医学では「病気」「症状」の区別はなく、症状とは病気になった結果の現象であるのに、症状イコール病気と考えるので、一般的に症状を抑える治療をします。
症状を抑えると一時的に楽になりますが、症状の原因の病気はそのままなので、長い年月の間には毒素が体内に溜まり、重い病気へと悪化する可能性があります。

毒出し(デトックス)による健康維持・健康回復という考え方は、一般的な病気や症状に対する考え方と異なりますが、ちょっと論理的に考えればわかって頂けると思います。

ダイエットをおこなう時も同様で、「身を削る」のではなく、新陳代謝によって日々発生する老廃物や不要物をしっかり体外に排出することが、本来のダイエットであると理解して、体の浄化に心がければ良いでしょう。

肝腎なこと

非常に大切なことを「肝腎(かんじん)」あるいは「肝腎かなめ」と言います。
体の部位はどの部位も大切であるにもかかわらず、とりわけ肝臓と腎臓の二つを取り出して、大切という意味を持たせているのには、どのような意味があるのでしょうか。

肝臓は、体の中の化学物質の量を調節したり、出血が起きたときには血液を凝固させる物質をつくるなど、生命維持に必要な多くの機能を備えています。
そのうちの、重要な機能の一つが、体に有害な物質や有毒な物質を、分解して無害にしてから胆汁や血液中に排出することです。
胆汁中に排出された物質は腸に入り、便とともに体外に排泄されます。
血液中に排出された物質は、腎臓でろ過されて尿とともに体外に排出されます。
また薬物を、化学的に変化させる働き(代謝)によって不活性化したり、体外にすみやかに排出できるようにします。

一方、腎臓の主な機能は、血液をろ過し、老廃物や過剰な水分および電解質(ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸などのイオンやブドウ糖)を排出することです。
このほか、さまざまな薬物が腎臓によって排出されます。>(メルクマニュアル家庭版より)

すなわち、肝臓と腎臓はコンビになって体の中の老廃物・不要物を排出し、また毒素・薬物を解毒して排出する役割を担っている訳です。
この働きが生命活動の中で優先して重要であるからこそ、大切なことを「肝腎」と呼ぶのだと思います。
如何に「毒出し(デトックス)」が重要であるか、再認識できるのではないでしょうか。

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