賢い患者の戦略
賢い患者の戦略-5
2006年2月28日
5.人生の大転換を恐れない
わたしが知っている治癒に成功した患者の多くは、その病気になった当時の当人とは別人のように変わっている。 治癒を探る過程で、生きかたを大きく変える必要があったことに気づいた人たちなのだ。 変えたのは人間関係・仕事・住む場所・食べる食事・身につける習慣など、さまざまである。 あとでふり返ってみれば、その変化は人間としての成長に必要なステップだったことがわかるが、それは決して楽な作業だったわけではない。 変化は常に難しいものであり、大きな変化は大きな苦痛を伴う。 病気はしばしばわれわれを、解決したいと望みつつ無視してきた人生上の問題や葛藤にやむを得ず直面させる。 人生上の問題や葛藤を直視して、思い切って変化への道を歩きだすことが、治癒への力強い出発だといっていいだろう。
賢い患者の戦略-2
2006年2月24日
2.積極的に助けを求める
自発的治癒に成功した患者は、見込みのありそうな治療法を探し、ちょっとしたことでも問題解決の糸口をつかもうとした。質問し、本や新聞雑誌の記事を読み、図書館に行き、著者に手紙を書き、友人や隣人に助言をもとめ、可能性がありそうな治療家をたずねてはるばる旅行をした。そのような行動をとる患者に対して「面倒な」「ひねくれた」「いやな」患者というレッテルを貼る医師もいるが、医師の指示に従って唯々諾々を従う患者よりも、「面倒な」患者のほうが治りがいいと考える理由はたしかに存在するのだ。