ヒトはなぜ服を着るのか?
ヒトがチンパンジーやゴリラと違うところは、ヒトは衣服を身に着けることです。チンパンジーやゴリラは体毛が深いので服を着けなくても寒さを感じません。一方、ヒトは裸のままではすぐに風邪を引いて死んでしまいます。 ヒトは、単に羞恥心があるから衣服を着けている訳ではありません。
では、ヒトはチンパンジーやゴリラと祖先が同じであるのに、なぜヒトとして進化した過程で衣服をつけるようになったのでしょうか。それは、ヒトになる種はある時、自分の脳を発達させる為に、衣服をつける知恵を持ったからだと思うのです。
チンパンジーやゴリラは、無防備状態で自然の環境から身を守るために、多くのエネルギーを体温の維持などに使っているはずです。しかし、ヒトは、衣服をつけることによって体温維持の為のエネルギーを節約し、余ったエネルギーを脳に集中させて脳をさらに発達させるようになったのでしょう。
衣食住の環境の変化
脳を発達させることによってヒトは文明を進化させました。しかし一方で、文明の進化に伴って、ヒトの生活環境は大自然の環境からどんどん離れていきます。それが全く悪いということではありませんが(私はチンパンジーに戻りたくない!)、環境の変化に合わせて、身につける衣服のスタンダードをそろそろ変える時期に来たのではないか、と思うのです。
温度を強制的に変化させる冷暖房が効いた部屋の中の「住環境」、人類史上今まで摂取しなかった人工物質が食物の中に含有されている「食環境」の中に、我々はどっぷりと浸かっています。この住環境・食環境の大きな変化は、ほんの最近数十年のことと思います。
そして、「冷え症」はこれらの変化に伴って発生した症状ではないかと思うのです。要は、冷え症を解消して健康を維持する為には、住環境・食環境の変化に対応して「衣環境」も変化させる必要がある、ということです。
そもそも、人間はズボンやセーターの下にアンダーパンツやアンダーシャツを必ずつけています。 そしてそれは綿です。なぜなら、綿は汗を吸って気持ちが良いし、体に良いからです。アンダーパンツを履かないでズボンを履いたら、冷えるし、気持ち悪いでしょうね。
足元だって同じではないでしょうか? 人間は一日に約1リットルの汗をかくといいます。足もコップ一杯分の汗をかきます(だから足が蒸れて臭くなるんですよね)。蒸れるとわかっていながら、パンツやシャツのような汗を吸う下着を足元につけないのは、不自然と思いませんか? 汗をいっぱいかく部分に、汗を吸わない化学繊維の衣類(靴下)しかつけないなんて、よく考えたら変ですよね。
水虫で悩んでおられる方は多いと思いますが、水虫が治らないのは、化繊のソックスでは、汗を吸わず足指の間が蒸れるので、水虫にとって足指の間が最高の住環境になるからです。足指と足指がくっついている状態では、いくら薬をつけても効果はありません(だから毎年毎年水虫の薬が売れるのです!)。絹の5本指ソックスを履けば蒸れないし、足指の間の通気性は良くなるし、水虫は一発で治りますよ。
足元にも下着をつけて欲しい
難しい話は別にして、絹や綿の天然繊維の5本指ソックスを履けば、理屈抜きで気持ちが良いです。5本指ソックスの上に先丸のソックスを履けば、靴を脱いだときの見た目も違和感はありません。
また、5本指ソックスを履くことによって足のムクミが取れますので、2枚の重ね履きでしたら、すぐに今の靴でも無理なく履けるようになります(本当は、4枚以上重ね履きして欲しいのですが・・・)。
天然繊維の5本指ソックスを下着感覚で履いて、その上にファッション性のある靴下を上着として履けばよいのです。
「足元にも下着をつけて欲しい」、これが私の願いです。