インターネット通販専用の靴下

当店で取り扱っている商品は全てインターネット専用の商品です。百貨店やスーパーでは取り扱っていません。言い換えると、インターネット通販向けだけの商品を製造しているメーカーがあるのです。
「靴下で通販専用のものがあるの?」と思われるでしょう。靴下は日本で年間11億足消費されていると言われており、間違いなく「消耗品」です。
そんな消耗品の世界でも、通販専用の靴下が製造されている理由が実はあるのです。


通常、メーカーが商品を百貨店やスーパーに卸す場合には、そのメーカーは、百貨店やスーパーのバイヤー(仕入れ担当者)が求める数量と納期を守って納める必要があります。バイヤーはメーカーに大量生産を求めます。かつ、「すぐに○○足を納入せよ」といった、メーカー泣かせの場合が多々あります。
そして、バイヤーは厳しいことを言う割には、商品が売れなかった場合は、メーカーに売れ残りを返品します。売れなかった責任をメーカーに転嫁するのです。従って、一般的にメーカーは、返品されることを考慮して卸価格を高めに設定します。さらに、百貨店やスーパーは、(メーカーが高めに設定した)卸価格に、自社の販売コスト(人件費、店舗の取得・維持コスト等)を上乗せして、消費者向けの小売価格を設定します。
特に靴下の場合は、バイヤーは、中国製の化繊の安い靴下と比較して買い叩きます。絹の製品であろうが、化繊の製品であろうが、品質に関係なく「一足いくら」で比較します。良心的に靴下を製造しているメーカーにとっては、たまったものではありません。
ナチュラルソックスが取り扱っている商品のメーカーは本当に良心的な会社です。5本指靴下を製造する自動編機は世の中にありますが、きっちり足にフィットするように編むには、足の形に合わせて、太い箇所細い箇所、締める箇所ゆるくフィットさせる箇所などを考慮して、”編み”の速度を通常より落として、大量生産を目指さず、丁寧に編み上げる必要があります。そうすると一日に編める商品の数は、通常より少なくなり、コストアップになってしまいます。
では、大量生産ができず、製造コストがアップしても、百貨店やスーパーで販売している商品と比較して、お客様に良心的な価格で提供するにはどうしたらよいか? その答えが、「インターネット通販」にあります。
インターネット通販の場合には、販売コストの大半は「送料」です。その送料についても、日本にはヤマト運輸のような宅配業者があり、良心的な価格で全国どこへでも届けてくれます。さらに、代引きの決済を選ぶと、代金回収までしてくれます(代金回収コストは315円です。これは、回収の手間と比較すると驚異的な安さです)。
インターネット通販の場合は、パソコンが一台あれば「店舗」が開けます。百貨店やスーパーのようなコストのかかる大規模なビルは不要です。また、人件費はたかが知れています。百貨店やスーパーの場合には、何百人、何千人もの従業員の給料をまかなう必要がありますが、インターネット通販の場合にはせいぜい数人です。
このような販売コストの安い方法があるからこそ、販売ルートをインターネット通販に限定すれば、大量生産せずとも、製造コストを回収することが可能になったのです。つまり、製造コストが少々高くても、販売コストが安いので、最終的にお客様に良心的な小売価格でお売りすることができるのです。
パソコンメーカーのDELL社は、インターネット通販のみの販売形態でパソコンを他社より安価に大量に販売するビジネスモデルを構築しましたが、インターネット通販のおかげで、少量生産であっても、品質で差別化できる商品を良心的な価格で販売できるビジネスモデルが成立するようになったのです。