あるある大事典IIで、納豆ダイエットに関するデータ捏造があったとの記事が新聞に大きく出ていました。捏造はもってのほかですが、ダイエットの考え方について、朝日新聞に群馬大学高橋久仁子教授(食物学)のコメントが以下の通り出ていました。
「摂取エネルギーを消費エネルギーよりも少なくすれば体重は減る。事実はこれだけだということを視聴者は認識し、いい加減な情報に振り回されないよう自覚すべきだ。」
このコメントに全面的に賛成です。アウトプットよりインプットの方が多ければ体重は増えるし、インプットよりアウトプットの方が多ければ痩せる、という単純な物理の原理です。それ以上のものはありません。「今まで通り(沢山)食べながら痩せたい」という発想法は、そもそも調子が良すぎると思います。
私どもが勧めている冷えとり健康法の観点から、ダイエットをどの様に考えているかを以下にご説明します。
考えの原理は上記の「摂取エネルギーを消費エネルギーより少なくする」ということです。「消費エネルギーを摂取エネルギーより多くする」という積極的な言い方の方が良いでしょうか。
では、消費エネルギーをどの様にしたら多くすることができるか。
第一は、消費エネルギーを増やすための基礎となる新陳代謝機能を高めるということです。新陳代謝とは体の中に取り込んだエネルギーを新しい細胞などに転換し、体の維持エネルギーに転換したり、古い細胞や老廃物を体外に排出する働きのことをいいます。足元を温めて新陳代謝が高まると、血液の循環が良くなり、体内の代謝が活発化します。
第二は、エネルギーの消費の方法として、できるだけ「物質エネルギー」として消費するということです。「消費」という言葉はふさわしくないかもしれませんが、要は物質という形でエネルギーを体外に排出する、即ち便として排出するということです。運動エネルギーとしてエネルギーを使ってもさほど体重は落ちないことは皆さん体験されている通りです。渡り鳥は一時も休まず飛び続けるけれど、疲れて、痩せて途中で海に落ちたという話は聞いたことがありません。それほど運動とはそもそも「省エネ」です。
しかし、物質エネルギーとして排出すれば、例えば500グラムの便を排出すれば体重は500グラム減ります。大変わかりやすい結果です。
便は食べ物が消化した残りの残渣と思われていると思いますが、便は直接的な食べ物の残渣だけではなく、体全体で新陳代謝が行われた結果としての老廃物や不必要な脂肪などの物質エネルギーも便の中に含まれています。体の中の老廃物や脂肪は血液を通して肝臓に送られ、肝臓から大腸へと送り込まれます。
便の重さ=摂取した食べ物 − 体内に取り込まれたエネルギー
ではありません!
正しい数式は以下の通りです。
便の重さ=摂取した食べ物 − 体内に取り込まれたエネルギー
+ 大腸に送り込まれた体内の老廃物や脂肪など
冷えとり健康法を続けていると、副交感神経優位になり大腸の働きが活発になりますので、便通は本当に驚くほど良くなります。便通がよくなると、上記の通り、便の重さ=減量という結果が得られます。
肥満とは、不要な老廃物や消費されない物質エネルギー(脂肪など)が体外に排出されずに体内に滞留している状態のことである、ということを強調したいと思います。
第三に、冷えとり健康法を続けると、自然に食べる量は減ってきます。これは摂取エネルギーを減らすことですが、自然に減るので、空腹という精神的な苦痛はありません。
体の働きや、小学生レベルの物理の勉強をするだけで、情報に振り回されない健康法、ダイエット法が見つかるはずです。