靴下を重ね履きすると足が蒸れる?

冷えとり健康法のひとつである靴下の重ね履きを人に勧めますと、まず返ってくる反応は、「重ね履きをすると足が蒸れそうなのでいやだ」というものです。
確かに、自分自身も最初はそう思いました。化繊の靴下を履いていた頃は、特に梅雨時から夏場にかけては、水虫はできるわ、足は蒸れるわ、臭くなるわで大変でした。


会社から自宅に帰って一番にすることは、靴下を脱ぎ捨てて裸足になることでした。
しかし、絹は吸湿性・放湿性が高いので蒸れることはありません。絹と綿の重ね履きをすると、足の湿度は絹が吸い取り、二枚目のコットンが吸収する。コットンに吸収された湿度は、三枚目のシルクが吸湿する、というように繊維が湿度を外側にどんどん出してくれます。水虫も治りました。
そもそも繭(まゆ)は、卵の殻のような出口も入口の穴も開いていない、結構厚みがあって(一ミリ前後の厚み)、指先で押しつぶそうとしても形が変わらない程、想像以上に硬いものです。その中に幼虫が生きている訳です。幼虫は外界から酸素をとりこみ、二酸化炭素を吐き出すという「呼吸」をしているわけですから、絹自身に呼吸を助ける働きがあると言えるでしょう。
絹はそのような天然素材ですので、理論的にも「蒸れる」ということはないはずです。蒸れるような素材であれば、繭の中の幼虫は死んでしまうでしょう。
天然の素材には、人工のものではいくらがんばっても得られない、すばらしい働きが備わっています。実は我々は、それを潜在意識で知っているから、下着のパンツやシャツの場合は、必ずコットンなどの天然素材の下着をつけるのだと思います。決して化繊のパンツは履きたくありません。ですから、足元も同じように、天然繊維、特に絹の靴下を履いて欲しいと思うのです。