汗をかく意味

猛烈に暑い日が続きます。このような暑い日に外に出ると、汗がふきだします。この汗は体温を維持する機能が働いて体内の水分が吹き出るものですが、一般的に運動をしてかく汗や、半身浴をしてかく汗は、単に体内の水分が排出される以上の意味があると私は思っています。
ここで少し、「代謝」の意味を振り返ってみます。


代謝とは、消化器官から吸収した栄養素、またはいったん体内に貯蔵した栄養素を、エネルギーや生命の維持に必要な物質に変える作用のことを言います。
食べ物は「糖質(炭水化物)」「脂質」「たんぱく質」の三種類に分けられますが、これらが代謝を起こすとどうなるか?
糖質(炭水化物)の代謝:
グルコース(ブトウ糖)に分解された炭水化物は、肝臓を経由して血液中に運ばれ、各組織でエネルギー源として利用されます。
糖質からエネルギーを使った後に残るものは、二酸化炭素と水のみです。二酸化炭素は肺から、水は尿、汗から排出されます。
余分なグルコースは脂質となって肝臓や脂肪組織に貯蔵されます。
脂質の代謝:
小腸から吸収された脂質は血液によって皮下、腹腔、筋肉の間などにある脂肪組織に運ばれて体脂肪として貯蔵されます。脂質はエネルギー源として使用されます。
糖質と同様にエネルギーをつくった後に残るものは、二酸化炭素と水のみです。
たんぱく質の代謝:
食物中のたんぱく質はアミノ酸に分解され、小腸から吸収されます。肝臓に運ばれたアミノ酸は血液によって身体の各組織に運ばれ、組織たんぱく質に合成されます。いったん合成されたたんぱく質は一定の割合でアミノ酸に分解され、絶えず新しく合成されるたんぱく質と入れ替わります。また、たんぱく質は、ホルモン、血球、免疫物質の形成などにも使われます。
不要になったアミノ酸から出る窒素化合物は肝臓で尿素に変えられ、腎臓を経て尿中に排泄されます。また、たんぱく質を構成する炭素、水素、酸素はエネルギーとしても利用され、その後に二酸化炭素、水となって排出されます。(国立循環器病センターのHPより)
以上から言えることは、食べ物が血や肉になり、エネルギーになって代謝された後は全て二酸化炭素と水になるということです。
サウナのように強制的に汗をかく場合には、単に体内の水分が搾り出されるだけですが、半身浴のように時間をかけてゆっくりを汗をかく場合には、代謝が進行して、代謝の結果として汗が出るような気がします。
代謝が進むと、体内の余分な肉が水と二酸化炭素(即ち呼吸)によって体外に排出されるので、ダイエットになります。
無理やり運動をしなくても、半身浴でたっぷりと汗をかけば、ダイエットの効果は十分にあるということです。